原油価格暴落が世界経済にとって極めて危険な理由とは

2020-03-09

衝撃の一日

2020/3/9は様々な意味で衝撃の一日でした。

急激に進んだ原油価格の暴落、それを受けて世界中の市場で同時に株安が進み、為替市場において円相場は急騰しました。また、米国市場においてはサーキットブレーカーが発動されました。

WTI 前日終値41.28→一時27.34(-33.8%)
日経 19,632.50 前日比-1117.25(-5.38%)
香港ハンセン 25,040.46 前日比-1106.21(-4.23%)
独DAX 10731.72 前日比-810.15(-7.02%) ※3/9 21:30時点
英FTSE100 6022.73 前日比-440.73(-6.82%) ※3/9 21:30時点
仏CAC 4765.37 前日比-373.74(-7.27%) ※3/9 21:30時点
DOW 23851.02 前日比-2013.76(-7.79%)過去最大下落幅更新、※3/10 21:40記入

ドル円についても、前日終値105.30→一時101.60まで進むなど、為替の急激な変動を見せた一日でした。

加えて、これに呼応するように国債価格は値上がり、金利は急落し、米国10年債は0.4%前後など、まさに激動と呼べる相場変動を見せる一日でした。

目先の動きだけで言えば、相場はかなりヒステリックに売られすぎと言える形で、短期でのある程度の反発は考えられるものの、本日の動きを以て、中期以上の相場の先行きはほぼ下に決定したものと考えて良いと思います。

よって、目先もし勢いよく反発する場面があっても、そこは短期では戻り売りの好機と考え、買いで深追いしない方が良いと考えます。

原油価格が暴落するとどんな悪いことがあるの?

原油価格が暴落すると、どんな悪いことがあるのでしょう?

端的に言うと、世界の株式市場に入り込んでいるオイルマネーが、一気に逃げ出すことに繋がります。

株式市場からのオイルマネーの逃亡は、極めて単純化すると以下のようなメカニズムで発生します。

  1. 原油価格が暴落する
  2. 国家歳入を原油に頼り切った産油国の国家財政収支が悪化するため、それを見越して投機マネーがいち早く逃げ、株価下がる
  3. 実際に産油国の国家財政収支が悪化する、一部換金売り、更に株価下がる
  4. 株価下落による逆資産効果で投資・経済活動停滞、原油価格下がる
  5. 以下、①に戻る・・・・

おわかりですね?極めて危険な状況です。そして、今はまだその入り口に過ぎません。

原油価格の下落が過去、何をもたらしたか?

多少条件の違いはありますが、事例から言うとアジア通貨危機後のロシア財政危機の事例が有名かと思います。

1997年、アジア通貨危機の発生によりタイを中心に企業倒産が相次ぎ、世界経済はアジア発で少なからぬ打撃を受けました。経済の停滞から、原油価格はWTIで10ドル台を記録するほどの下落を見せました。

1998年当時、ロシアの貿易は、輸出の80%を天然資源に依存しており、中でも原油の比率が高い割合を占めました。元々財政種々の要因で財政状態がよくなかったロシアは、急激に財政事情が悪化し、債務支払い停止、資本の流出、ルーブルの下落、ロシア国内の経済混乱、金融不安に伴う株価下落と続き、最終的にはかの有名なLTCM破綻へと繋がります。

石油生産量ランキング、石油輸出額上位ランキング

原油価格下落の影響が大きい国を見てみましょう。

石油生産量ランキング

単位:千トン、2018年
1位 米国 669,374
2位 サウジアラビア 578,336
3位 ロシア 563,339
4位 カナダ 255,482
5位 イラク 226,147
6位 イラン 220,373
7位 中国 189,106
8位 アラブ首長国連邦 177,696
9位 クウェート 146,847
10位 ブラジル 140,348

石油輸出額ランキング

単位:百万US$ 2018
1位 サウジアラビア 167,603
2位 ロシア 129,201
3位 イラク 84,626
4位 アラブ首長国連邦 70,011
5位 カナダ 66,892
6位 イラン 57,319
7位 ナイジェリア 49,648
8位 米国 48,262
9位 アンゴラ 38,913
10位 カザフスタン 37,803

(出典:global note)

なお、ロシア、サウジアラビアなど特に石油依存度の高い国々は、過去の原油価格暴落の教訓から、各国ともに石油依存度の低い経済構造に変えようと必死に取り組んでいますが、今のところいずれも成功しているとは言い難い状況です。サウジアラビアに至っては、輸出の90%を石油または石油製品に依存しています。

危ないのは石油会社だけじゃない!?

直接的に影響が大きいのはやはり石油会社ですが、事はそれだけでは済みません。

配当系ETF

例えば、配当系ETF。石油会社は高配当の会社が多く、配当系のETFには上位に組み込まれていることが多いです。人気の配当系ETFの構成銘柄上位10位を見てみると、以下のようになっています。

VYM : XOM 6位 2.50%
HDV : XOM 2位 7.85%! CVX 5位 5.54%!
SPYD: 10位以内にナシ
VIG : 10位以内にナシ

という形になっています。HDVが石油要素かなり高めですね。

私も元々原油に関しては長期弱気で、配当狙いのポートフォリオを目指してはいたものの、通常高配当を狙う際によくポートフォリオに組み入れる原油関連の個別株は、私のポートフォリオには組み込まないようにしておりました。(※詳細は2020年2月の投資結果参照)

上記の理由により、HDVも少なめというかウォッチ程度に1株入れてるだけの構成だったので、直接被弾は少ないのですが、事は石油株だけでは済まなさそうです。

そもそも石油株以外でも

冒頭で説明したように、オイルマネー依存の国家財政は悪化します。当然、逆資産効果も相まって、株式投資どころか全体的に投資活動が冷え込みます。そうなると、石油株であるかどうかはともかく、いわゆる何を買ってもダメな相場に移行します。

ここからの方針は?

もはやコロナがどうとか言うレベルの話ではなくなりました。
生き残ることが最優先です。
安くなったからと、安易な追加投資はおすすめできません。

短期の話

前述の通り、短期ではかなり突っ込み過ぎなので、目先はそれなりの戻りもあるかもしれません。
しかし、短期の戻りは基本、売りです。逃げ場を上手く捕まえましょう。
上値の深追いは禁物です。

中期の話

中期以上では、基本下向きです。安易に安値だからと掴まないことを勧めます。大きく動くのは、相場が落ち着いたのを見極めてからでも遅くありません。

長期の話

どの程度オーバーシュートするのか、どのくらいの期間潜伏するのかは神のみぞ知るですが、米国株は長期では不安視しなくても良いでしょう。インデックス積立派ならば今の積立を変えずに継続で良いと思います。配当派も、コツコツ下値を丁寧に拾うことを心がけましょう。一気に投入すると含み損に精神が耐え切れず、無駄なロスカットによってただのやられ損になるでしょう。

最後に繰り返しになりますが、ここからは生き残り最重視の相場です。
リスク管理をしっかりと行い、10年後・20年後の収穫に繋げましょう。

それではまた。

明日に向かってFIRE!!

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